フィアット500 ツインエア エンジンチェックランプ点灯

平成23年登録 フィアット500ツインエア 走行85,200km

「高速道路を走行中にエンジンチェックランプが点灯した。その後もチェックランプは点灯したままの状態。」
とのことでご入庫。

診断機をつないでみたところ、フォルトコードが残っていました。
過給機(ターボ)系に異常があるようです。

フィアット500 ツインエア エンジンチェックランプ点灯

リアルタイムに数値を確認してみたところ、違和感のある数値が表示されていました。

診断の結果から、各部怪しい個所をチェックしていくと、このような状態になっていました。

フィアット500 ツインエア インタークーラーホース 裂け

「インタークーラー出口」と「エンジン入口」を繋いでいるホースに亀裂が入っていました。
タービンで加給された空気がここから漏れていたようです。

ホースを交換して、フォルトコードを消去し、試乗をして異常が無いことを確認して修理完了。

ついでなので簡単にターボの説明を。(本当にざっくり簡単に書いてます)
以下はエンジンに吸い込まれる空気の流れです。(数字は空気の量です。0.8は「例え」の数値です)

エアークリーナー(エンジンに吸い込む空気をフィルターを通してろ過します)


(大気圧なので空気の量は1とします(ツインエアは排気量900ccなので、900ccの空気を吸い込むことができます))


タービン(「はね」が高速回転して上記エアークリーナーから吸い込んだ空気を圧縮してエンジンに押し込みます。「はね」は排気ガスの力(勢い)で回転しています)


(大気圧1+タービンで圧縮した空気圧0.8=1.8(900cc+720cc=1620cc相当の空気の量になります))


インタークーラー(空気は圧縮すると発熱するのでここで冷やします。エンジンに入る空気の温度が低い方がエンジンのパワーを出すことができます)


1.8(1620cc相当の空気)今回の修理はこの部分のホースに亀裂が入っていました。


エンジン本体の吸い込み口


1.8(1620cc相当の空気)


エンジン内部の燃焼室で爆発燃焼
エンジンに入ってきた空気の量に合わせて、適切な量のガソリンが噴射され、燃焼室で爆発。エンジンが回転します。


上記の様に、本来900ccの空気しか吸い込めないエンジンに、1620ccの空気を押し込みます(1620ccのエンジンと同じパワーが出せます)
昨今の軽自動車などにも当たり前の様に装着されていますが、「ターボ」という物体はこんな感じです。

※ツインエアの「ECOボタン」を押すと、この「0.8」という数値(ターボの加給圧)が、もっと低く設定された数値になります。
また、0.8という数値をもっと増やせば、さらにパワーアップ可能です。が、同時に弊害も発生しますので各部の対策も必要になります。
昔のF1(エンジンは1,500cc)では「0.8」の数値が「4」や「5」だったという話もあります。

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