フィアット500 ツインエア 走行不能 レッカーにて入庫 修理後エンジンかからず
フィアット500ツインエア
H23年6月登録
走行 92,400km
駐車場にて大きな異音の後「2」に入ったままギアが変わらず、「N」にならないのでエンジンもかけることができない。
とのことでレッカー車にて入庫。
確認してみると、何をしても「2」からギアが変わりません。
シフトレバーを操作してもギアは「2」から変わりませんが、デュアロジック内部ではその都度油圧を消費している様で、油圧が落ちていきます。
一応内部では動こうとしている様です。
原因としてまず考えられるのは、デュアロジック、またはクラッチ。
この車両は以前よりクラッチレリーズベアリングから異音が発生していることを指摘していた車両なので、いずれにしてもまずクラッチ関係をチェックしてみることに。
クラッチオーバーホール完成後、ギアは「N」になったが、セルは回るがエンジン始動せず。
次の修理車両の予定も詰まっているので、予定通りに完成させないと・・・。
今回の一連の流れは以下のとおり。
●「2」速に入った状態でレリーズベアリング破損。
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●レリーズベアリングの破片がクラッチカバーダイアフラムスプリング内部に入り込みクラッチ切れず。
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●クラッチが切れない為、ギアを「N」にすることができず。
(クラッチカバー、レリーズベアリング、レリーズフォーク、レリーズレバー、デュアロジックレリーズプッシュロッドが動けない為、デュアロジックはクラッチが切れていないと判断し、ギアを動かす信号を出さず)
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●「N」にならない為、エンジン始動できず。
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●クラッチ関係オーバーホール
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●クラッチ関係を修理後、無事に「N」になったが、セルは回るがエンジン始動せず。
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●各部チェック。点火系は異常なし。燃料が噴射されていない様子。
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●燃料ポンプ及びインジェクターの作動は異常が無いことを確認。
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●長めのクランキング中にも油圧警告灯が消灯しない(油圧がかかっていない)。
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●レッカー時に「2」速(前進のギア)が入ったまま、レッカー車にてバック方向に引っぱり出した。とのこと。 エンジンが逆回転にまわされた可能性あり。
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●INバルブ油圧抜けにて、INバルブ開かず、燃料噴射停止。
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●さらに複数回のクランキングにより油圧警告灯が消灯することを確認(油圧が規定値以上に上がった)。その後わずかに初爆あり。さらに複数回のクランキングによりエンジン始動。
↓
●無事に完成、納車。
この車両も以前よりレリーズベアリングから異音が出ていることを確認しており、早めの修理をお勧めしていましたが、不動状態になってからの入庫でした。
異音が発生していたら早めの修理をお勧めします。

