フィアットパンダ デュアロジック不調 ギア抜け

平成25年5月登録
フィアットパンダ ツインエア
走行86,000km

デュアロジックギア抜け、走行中に「N」になってしまう。
とのご依頼。

診断機を接続して各部チェックします。
複数のフォルトコードが記録されていましたが、具体的な故障個所を示している訳ではありませんでした。
キャリブレーションを実行してみると、異常な表示をしています。
通常は、[5]→[4]→[3]→[2]→[1]→[R]→[N]と変速してキャリブレーション終了となりますが、今回のパンダは、[2]→[1]の途中で[N]を表示したり、[5]↔[4]を繰り返して終了したり、おかしな表示をしています。

デュアロジック部の不具合のある部品を交換して、再度キャリブレーションを実行。
[2]→[1]の途中で[N]を表示したり、[5]↔[4]を繰り返して終了するという異常な症状は直り、[5]→[4]→[3]→[2]→[1]→[R]→[N]と正常に変速してキャリブレーション完了。

更にパンダの持病ともいえるデュアルマスフライホイールも確認します。
案の定・・・、センターのベアリングが破損して中心がズレていました。

フィアットパンダデュアルマスフライホイール

ガタにより、フライホイール取り付けボルトの頭も削れてしまっています。

フィアットパンダ

フライホイールが偏芯して回転していたので、クラッチカバーも同様に偏芯して回転しており、レリーズベアリングの当り方も360°均一ではありません。

フィアットパンダデュアルマスフライホイール

偏芯回転してしまったクラッチカバーのダイアフラムスプリングの先端で、ミッションケースの通称「天狗の鼻」と呼ばれている部分を削ってしまいます。
「天狗の鼻」部は、レリーズベアリングの摺動部分なので、ここまで削れているとこのまま使用する訳にもいきません。(軽傷の場合はそのまま使用する場合もあります)
「天狗の鼻」部分のみ脱着式交換可能な作りになっているトランスミッションも有りますが、フィアットパンダのトランスミッションはベルハウジングを含むトランスミッションケースと一体なので、トランスミッションケースも交換になります。

フィアットパンダデュアルマスフライホイール

フィアットパンダデュアルマスフライホイール破損ミッションケース交換

フライホイール脱着ついでに、クランクリアオイルシール交換

フィアットパンダデュアルマスフライホイール

ソリッドフライホールに変更。

フィアットパンダソリッドフライホイール

今回の修理により、クラッチ周辺に関しては当分の間安心してお乗りいただけると思います。

ご依頼ありがとうございました。

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